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人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

タスクフォースを立ち上げる際に外せない事

タスクフォースを社内で立ち上げる場合、意思決定者を巻き込むこと、専任をアサインすることの2点は外してはならない

現在関わっているあるベンチャーで、ある作業がなかなか思うよに進まないのでタスクフォース化しましょう、という話が出ている。こういった状況は多くの企業で見受けられる事だが、タスクフォースとは何かを真剣に考えず、とりあえずその課題だけを議論する会議体を設定しました、といった「なんちゃってタスクフォース」になってしまう事もよくある。

 

ビジネスの用語の多くがそうであるように、「タスクフォース」もまた軍事用語であり、元々はアメリカ海軍で用いらていた概念である。ある特定の作戦目標の達成のために編成される部隊を指す言葉で、アメリカ海軍というコンテキストで言うと、アメリカの軍事力を象徴する空母打撃群は有名なタスクフォースの一つだ。

 

企業において、つまりビジネスにおいて、タスクフォースを編成する際、下記の2点はどんなことがあっても外してはいけないと考えている:

  • 意思決定権を持たせる:そのタスクフォースの中で、最終的な意思決定ができるという事。タスクフォースはこう決めたのに、あとで別途社内稟議をとらなければいけない、といった事になると、タスクを動かすスピードやメンバーのモチベーションが明らかに低下する。これではタスクをこなすことより社内調整に膨大な時間を費やすことになり、物事は動かないままになることが多い
  • 専任をアサインする事:理想的には全メンバーが100%アサイン、つまり専任であるべきである。そもそも、軍事的なコンテキストでは一人の人間が同時に別の戦地に赴くことはできないので、専任前提である。企業でタスクフォースを立ち上げる場合も、全員とはいかないまでも、少なくとも責任者を含むコアメンバーは専任であるべきである

他にも要素はあげられるが、この2つを外すと経験的にはタスクフォースはかなりの確率で失敗に終わる。

 

コンサルタントとして企業に入り、タスクフォースの立上げを何度も支援してきたが、特に問題になるのが、後者の専任という条件だ。「専任は無理ですよ、せめて70%アサインで」みたいな会話がよくなされるが、そこで中途半端に始めると失敗に終わることが分かっているので、コンサルとしての正しい行動は、「100%ではないとだめなので、、、」と言い張って、ひたすら専任が用意できるまで忍耐強く開始を待つという事だと思う。そもそも専任が用意できない、という事は、企業にとって「その程度」のタスクであり、タスクフォースを組むまでもないのである。責任者を明確に決め、そこに意識を集中してこなす、それがタスクフォースなのだ。