わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

糞アウトプットへの対処法

McKやBCGといった一流といわれるコンサルティングファームで仕事をしていても、
一定の割合で糞な(つまり品質が低い)アウトプットを目にすることがある。厳選された、ハーバードや東大を卒業した頭脳明晰な(はずの)人材を採用して鍛えているプロフェッショナルファームでもそのような事が起こるのであり、これが一般の事業会社になるとダメなアウトプットを目にする頻度は格段に増えるわけである。もちろん、コンサルティングファームで「質が高い」とされるアウトプットと事業会社で事業を回すために必要な「質の高い」アウトプットは本質的に異なると感じており、同列で語ることは違和感があるのだが、、、、。

 

こういったダメなアウトプットを出された時に、自分として心がけていることが3つある(下記は今自分がおかれている事業会社での場合を想定しているが、コンサルファームにいた時も本質的には同じように意識していたと感じる)。

 

1つ目は、アウトプットの質と、そのアウトプットを出した人間の人格や質、を明確に意識の中で区別する事。これは「自分のため」にやっている。例えば厳しい時間軸の中で、どうしようもない資料がでてくると、当然血圧が上がり、目の前のそれを作成した人間に怒りの矛先が向きがちである。しかしそれは感情の問題であり、その怒りをその人に仮にぶつけても、資料がイケてないという事実は変わるわけではなく、なんの問題解決にもならない。そんなことに自分の貴重なマインドエネルギーを使うよりは、「その人なりにベストを尽くしたはずで、質の高いアウトプットを理解できていない状態だっただけだ」と思っておいて、どうやって質を高めるかにエネルギーを注いだほうがはるかに生産性が高いと考える。

 

2つ目は、なぜ質が低いのか、を極めて論理的に説明できるようにする事。なぜそれが質が低いかを自分で言語化できないのであれば、本当にそれが質が低いといえるのかどうか怪しい。インプットされる側の立場からしても「いや、こうじゃないんだよね」とふわっと意見されることほどつらいことはないと思っており、きちんと論理的になぜ質が低いのかを説明し、納得してもらったうえで修正してもらえるように仕向けるべきだと考える。逆に、なんか気持ち悪いと感じていても、論理的にインプットできないのであればそれは自分の責任であり、自分の力のなさなのだから、自分を責めるべきである。

 

3つ目は、「この1点だけ直そう」と言えるよう、本質的に重要な部分を見抜く事。特に事業会社で仕事をしていると、どうしようもないアウトプットがでてくることはたくさんあるが、それをありとあらゆる角度から質を高めに行くときりがなくなる。そこで、事業を回していくために、ここだけは回答を出さないと進めない、ここだけは譲れない、といった「抑えるべきツボ」のような部分を見つけて、そこにエネルギーを注げるようにしたいと常に考えている。多くの場合、資料のフォーマットとか、見せ方とかはどうでもよく、この1個の数字だけ粗くでもいいので算出してでかでかと載せておけば、ビジネス判断をできるといった事が多い。

 

ちなみに、特に1点目と2点目を全く心がけていない上司と働くと、無限に働くことになり、かつ自分も学ぶことがない、といった悲惨な状況になると思われる。注意されたし。