わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

経済規模と人間の幸せは関係ない、というところに何か可能性を感じる

恥ずかしながら、自分は経済学をまじめに学んだことがない。なので、下に記すことは、経済学等の学問をきちんと学んだ人からすると非常にNaive、又は当たり前の事なのかもしれないが、ここ5~6年、自分が漠然と感じていることである。

 

それは、経済指標のランキングと人間の幸せは全く関係がない、という事である。

 

しばらく前に、今年の日本の出生数が90万人を下回ることが確実になった、というニュースが出ていた。2016年に初めて年間の出生数が100万人を下回ってから、たった3年で、さらに1割減少したのだという。戦後の日本の躍進、そして現在の経済規模を維持できている最大の要因はシンプルに「人口の多さ」であり、それが2100年(今年生まれた子供はまだ生きているだろう)には3000万人台になりえるほど急減していくことは、経済にとって果てしなく大きなインパクトを与えるはずだ。経済指標から見た日本の行く末はまさに真っ暗で、ジム・ロジャーズのいうように「衰退の一途をたどる」だろう。

 

しかし、忘れがちなことは、先に書いた通り、経済指標のランキングは人間の幸せとは全く関係がない、という事である。そもそも経済の大前提とは、「人間にとって本当に大切なものは無限にある」という事だと理解している。例えば太陽の光とか、きれいな水とか、きれいな空気とか。そして、経済指標と人間の幸せが無関係であることは、「夏休みに家族で海に行って、海水浴を楽しんだ、という事は経済指標には現れない」という事からも理解できるはずだ。海には利用料がない。つまり、海で遊ぶことは楽しいし、遊んでいる人は幸せを感じるかもしれないが、海でいくら遊んでもお金は動かない。なので経済指標には表れないのである。

 

これと似たような事を、日々コンサルティングの仕事を通じて感じている。つまり、その会社の売上と社員の幸せは関係がないという事である。戦略コンサルタントは、売上等の数字に表れないものは測れない、として無視してしまいがちだが、漠然と数字に表れない何かが社員の幸せや生産性につながっていることを感じている。そして面白いことに、会社の売上が高い⇒社員が幸せ、という関係は成り立たないが、その逆、つまり、社員が幸せ⇒会社の売上が高い、というのは往々にして成り立つのである。

 

既存の戦略コンサルタントは売上を上げるための施策を考えたり、KPIを設定したり、色々と数字で測れるよう知恵を出すことはするが、「社員の幸せをあげる施策」とか、「社員の生産性を上げる施策」をデザインすることは極めて苦手である。しかし、これを再現性高く、助言できるのであれば、かなりのインパクトを与えられるのではないかと感じている。こういった数字で測れず、これまでまじめに取り組んでこられなかった領域に何やら事業のポテンシャルがあるように感じる次第である。