アクセンチュアがとうとう1位か
世の中のランキング、というものにあまり大きな意味を見出した事がないし、実際にそれほど意味があるものではないと思うのだが、SNSの投稿で何回か見かけたので、自分も触れておこう。
アクセンチュアが一位になったようで。
あまり驚かないというか、自分がまだBCGにいた10年くらい前から、既にBCG内の人はマッキンゼーよりアクセンチュアを競合視していたし、先日マッキンゼーの方とランチを食べたときにも、アクセンチュアの名前が出ていた。要するに、デジタル革命がコンサルティング業界にも影響を及ぼしているという話で、デジタルがあらゆる業界の企業戦略・戦術を語る上でも避けて通れないものになっているという事だと思う。
アクセンチュアには在籍したことがないのだが、端から見ると、そのような市場環境の中でのアクセンチュアの強みは、アクセンチュア自身がシステム(基幹システムを含む)の設計・開発・運用を手掛けるITサービス企業という事かと思う。マッキンゼーもデジタル・マッキンゼーと銘打ってかなり力を入れてエンジニア等の職種をグローバルで採用しているが、(少なくとも自分の理解では)既存システムのリプレイスを行ったり、既存の基幹システムの上に新システムを構築したりするだけのケイパビリティ―はまだなく、せいぜいできるのは既存システムとはほぼ連携しないシステム(例えば新しいビジネスモデルのPoCを行うための簡易アプリなど)のアジャイル開発くらいだと思う。
デジタルは、アイデアを仕様に落とし込んで具体化する要件定義プロセスがイケてないとイケてないシステムが出来上がるだけなので、上流の要件定義プロセスは重要ではあるものの、要件定義だけではビジネス価値は「ゼロ」で、価値を産むには、既存システムをリプレイスする等して現場に実装する事がマストである。その実装まで一応やり切れる事がアクセンチュアの強みかと思う。他のコンサルに頼むと、要件定義プロセスはなんかいい感じの分かりやすい紙を作りながら進めてくれるかもしれないが、実装ができないので結局ビジネス上の価値は「ゼロ」で、彼らのコストを正当化できない、という事態になるだけである。
と考えると、実装までやり切れるファームが、デジタルトランスフォーメーションを先導するのは当然で、アクセンチュアがトップに躍り出るのも当たり前というか。就活生もそういうところを見ているのかなと思う。