わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

CTOの役割とは何なのか

CTOの役割はベンチャーの性質や事業規模(ステージ)によって大きく変わるとは思うが、技術的知識よりもビジネス知識やPMスキルが重要になる事の方が多いと思う
 
ものの定義によると、CTO(最高技術責任者)とは、「企業における技術面での責任を担い、経営戦略や技術・研究開発などを全体的に見るポジション」らしいが、幾つかのスタートアップに関わっている身としては、どうもピントこない。
 
確かに、かなり技術よりのスタートアップの場合(例:特定技術に依存するユーグレナのようなバイオ系ベンチャーとか、最先端の機械学習技術を提供するパークシャテクノロジーとか)、まさに最高「技術」責任者という名前の通りの役割を求められるのかもしれない。つまり最新の技術を日ごろからキャッチアップし、現段階での技術の限界や将来性を加味したうえで、そのスタートアップのサービスの顧客価値を最大化するための技術戦略を練る、といった役割である。
 
一方で、事業系のスタートアップの場合(例:ラクスルのような、伝統的な分野をITで壊していくような会社)、技術はあくまでツールであり、最先端かどうかよりも、安定運用できるかどうか、とか、その技術をもったエンジニアを採用しやすいかどうか、といった観点の方が重要で、極論枯れた技術の組合せの方が諸々のコストが低いので望ましいのである。このような場合、最高技術責任者の役割は、技術戦略うんうんではなく、ビジネスサイドとエンジニアを繋ぐ「翻訳」をするという色がかなり濃くなると思う。世の中の大部分のスタートアップはこの事業系であり、CTOという役職名の元、求められているのはビジネスとエンジニアリングの両方が分かる人、である場合がほとんどだと思う。
 
そう考えると、戦略コンサルの素養を持った人がCTOになる事には、それなりのニーズがあると思う。ビジネスサイドの話を深く理解でき、それを整理したうえで、エンジニアの用語に変えて伝えていく。こういった事をできる人間は、どの開発現場でも必要とされているように思うが、絶対的に欠乏している。この時代、一人でも多くの戦略コンサルが、技術をある程度独学で勉強し、こういったポジションについてくれたらいいのになと思う。