わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

中途半端な強みを伸ばすくらいならジェネラリストの方がよい

「自分の強みを伸ばせ」とよく言われるが、中途半端な強みを伸ばすくらいなら、何でも平均的にできるジェネラリストの方が価値が高いと思う

コンサルティングファームによって、ジュニアの教育方針、というものは大きく異なるように思うが、自分が新卒入社したBCGに関して言えば、明確に「弱みをなくすこと」に主眼があった(年代によっても大きく変わると思うので、今のBCGがどうなのかは全く分からないが、、、)。苦手な事をなくすことによって、いかなる状況においても、一人で十分な付加価値を出すこと、が求められていた。チームで仕事をする事で、その付加価値をさらに高めるわけだが、それ以前に「個」が強くないとお話にならない、という思想だ。

 

このような思想があったので、社内で「できる」先輩はまさに傭兵というか、特殊部隊の軍人のような雰囲気を身にまとっており、エクセルでのモデル作成からアンケート設計といったやや特殊な作業まで、なんでも一通り、人並み以上のクオリティーでこなすことができたし、そういった先輩が炎上プロジェクトに一人で突っ込んでいって火消しをする姿を何度も目の当たりにした。また、「自分はそれでできません」といった趣旨の発言は社内でとにかく嫌われ、そう発言した段階でプロジェクトにアサインされなくなるといった雰囲気(実際そうだったのだが)があった。

 

このワンマンアーミーを育てる教育方針は、結果として正しいのではないかと感じている。今自分が一人でクライアント先に行って付加価値を出せているのがその教育方針のおかげ、という事ももちろんあるのだが、色々なクライアント先で社内の人を観察していると、結局周りから頼りにされ常に忙しく仕事をしているのは、なんでもそつなくこなせるジェネラリスト的な人なのだ。逆に、「自分はXXが得意で、それはよくわからないので」という人はむしろそれを理由に仕事をさぼっており、邪魔なだけ、周りの社員の士気を下げているだけな事が実に多い。

 

よくよく考えてみれば、自分が思っている強みなんて、一歩引いた目で見れば大した強みではないのである。世界一それが上手い、と自信を持って言えるくらいの強みがあるのであれば別だが、それはかなりレアだ。たまにジュニアで「ロジカルシンキング強いっす」という人がいるが、「いや、コンサルファームに入ってくる人全員強いからさ」と心の中で思うし、そんな下らん強みなら、このエクセルの分析を何とかこなしてくれた方がありがたいと思うわけである。

 

世の中全体的に、強みを伸ばしましょう、的な思想が強すぎると思う。もっと、弱みがないことをの強さを認識し、究極のジェネラリストを目指すのは、全然ありだと思う。