わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

言葉ではうまく説明できない付加価値を目指す

付加価値は平易な言葉で説明できてしまうほど価値が低く、価値が高いものは実はうまく言葉では説明できないものである

先日、とある会議の前に雑談していたら、以下のようなやり取りがあった:

「最近自分の中でイケてるツールはWorkonaですかね。Chromeをより便利に使えるとうか、、、うまく説明できないのですが」

「へー、Workona。ああ、こういう感じのか。自分はTobyで満足してますね」

Toby?へー、やっぱ説明読んでも全く理解できない(笑)。いいサービスって言葉では説明できない事多いですよね」

 

これは結構本質をついていると思う。つまり、ユーザーが、本当に便利だな、使いやすいな、と思うサービスやプロダクトは、その付加価値を言葉でうまく表現することができない事が多い。

 

逆に言えば、提供している付加価値を言葉で明確に定義できてしまう場合、市場におけるそのサービスやプロダクトの価値は下がっていくのである。これは世の中を見渡すとありとあらゆるところで見受けられる。例えば、人材もそうである。単純作業が社内で発生し、派遣さんを依頼する際、そのスペックを先方に伝えるが、「エクセルが扱える」とか「英語のWebサイトを読むことができる」というように、できる作業の内容が具体的に記述できてしまう彼らはチャージできる額(=自分が受け取る事ができる給与)が低い。一方で、自分のように、よくわからないが「プロジェクトをとにかくうまく回せます」みたいな、提供している付加価値があいまい(だが、実際に使ってみるとその差が体感できる)な人材の方がチャージできる額が高いわけである。別の例で言えば、金融商品などはその最たるもので、提供している付加価値が高いように思わせるため、あえて複雑に色々と商材を混ぜて、計算式をこねくり回しているのだと理解している。

 

コンサルティングも例外ではない。McKinseyの付加価値が仮に具体的かつ平易な文章で記述できたら、彼らは月額何千万もチャージできないわけである。「なんか知らないけど、McKinseyに頼むとどんな難問でも解いてくれるらしい」と思わせておくことが大切なわけである。

 

もちろん有料のSaaSを開発する場合など、最初に提供する付加価値(=この場合解決するペインポイント)を明確に定義するものもあるわけだが、結局似たようなサービスが出てきたときに生き残るのは、ペインポイントの解決以外で「言葉では表現できないが、何となく使いやすいサービス」であって、そういった差が重要になると思う。

 

言葉では説明できない付加価値をもった人を目指して、精進していきたい。