100本ノックの実例2:日本語を正確に書くことの難しさ
昨日のエントリーで、ロジカルシンキング100本ノックの実例を示したが、このトレーニングをしていくと、「日本語で自分の意図を正確に伝える事」の難しさを実感する事となる。そのことを示すために、もう一つ具体例を示しておこう。
【インプットを受ける段階のメモ】
ブログの読者を増やすには、特定個人の課題解決にフォーカスすべき(A)
- 特定個人向けのテーマは、共感を得やすい(B)
・大衆向けテーマは、読者が自分事化出来ず、共感しにくい(C)
・特定個人向けのテーマは、読者が自分事化出来て、共感しやすい(D)- 共感する記事を読んだとき、友人にシェアしやすい(E)
【インプット】
この文章を「一般の社会人が書きました。構造化の能力、どうですか?」
と尋ねられたら、80点くらいをあげてもいいかもしれないが(それくらい世間一般の社会人の構造化に対する理解は低いので)、「McKの人間が書きました。点数は?」と言われたら、5点くらいだと思うので、あえてちゃんとインプットしよう。
まず、(A)の文章は日本語として正確性に欠いている。
意図している内容は、記事のテーマを特定個人の課題解決にするべき、という事を言いたいのだと思うが、この文章だと、ブログの読者を増やすのに、例えば特定個人の課題解決を日々の生きがいにするというのも含まれてしまうので、より正確に記述すべき。
例えば
ブログの読者を増やすには、特定個人の課題解決についてエントリーすべき
とか、
ブログの読者を増やすには、記事のテーマを特定個人の課題解決に絞るべき
とか。
次に、定義がぼやけた独自の用語を、説明なしに使っている。
「大衆向けテーマ」って具体的になんですか?「大衆向けテーマ」と書いて、一般の読み手が認識の齟齬なく同じものをイメージできますか?
「特定個人向けのテーマ」ってなんでしょうか?例えばGoogleで、「ブログ、特定個人向けのテーマ」と検索をすると、1件も出てこないので、その時点で、特定個人向けのテーマ、という言葉自体が一般性を欠くと判断でき、具体的に説明しないと通じないという事になる。その説明が欠如している時点で、分かりやすく書く、という構造化の目的に反している。
そして、3点目は、論理の飛躍をやや感じるという点だろう。
(E)の後には、友人にシェアされると、ブログの読者が増える
という文章が隠れていると理解している(重複になるので、削除されている)。しかし、友人にシェアされると本当にブログの読者は増えるのだろうか?
自身でブログをやっているが、その経験からすると、フォロワーの多いツイッター民がシェアしてくれた場合は確かにブログの読者が増えるが、フォロワーの少ない人がシェアしてくれてもインパクトはほぼゼロに近い。そう自分は感じたので、ここに論理の飛躍があると感じた。
ブログの読者を増やすには → 記事のテーマをXX
と書かれているが、本当はブログの読者を増やすコツを書いてから、そのコツを満たすには記事のテーマをXXにする、という2段階ロジックにすると分かりやすいはずで、それを飛ばして1段階にしているのではないか、と。
【修正後のアウトプット】
以上を踏まえると、以下のように書いたほうが分かりやすいのではないだろうか。(構造化を本格的に図る前の、ラフスケッチとして下のようなものをイメージした)
ブログの読者を増やすには、共感・シェアのサイクルを産むことが大切
- 記事に共感され、シェアされることで、読者が鼠算式に増える
- 特に、SNS上で、フォロワーの多い人にシェアされると、飛躍的に読者が増える
共感・シェアのサイクルを産みやすい記事のテーマは、「特定個人の課題解決」
- 例1)XX(特定個人の課題解決の例)
- 例2)XX
ではまた明日!