マッキンゼーとBCGは何が違うのか(その1:序文)
マッキンゼーとBCGの違いをエントリーにする上で、一応初めにdisclaimer的な事を書いておこうと思う
自分は生物学のPh.Dを取得した後、新卒でBCGに入社し、その後、紆余曲折あってマッキンゼーでも働く機会があった。BCGを卒業した後、まさかコンサル業界に戻るとは夢にも思っていなかったのだが、本当に不思議なご縁があり、マッキンゼーに入社することになった。BCGでは精神的にも体力的にもにつらい経験があり、その当時、「マッキンゼーとBCGは似たようなものである」と勝手に思っていた自分は、入社することをかなりためらい、オファーレターをもらったものの一旦断る、が話をもう一度聞いて、その期限の最終日にオファーを受けることを決めた事を今でも覚えている。この業界に戻るのか、というどこか恐怖感に近い感覚と、またプロフェッショナルな人たちとプロフェッショナルな仕事ができる、という期待感が交錯していた。
マッキンゼーとBCGの両方を経験している日本人はかなり少ないと思うが、中でも希少なのは、自分のようにBCGからマッキンゼーに行った人間だ(インターンをBCGで経験してマッキンゼーに入社した、といったケースではなく、どちらにも正式に所属したという観点で)。マッキンゼーからBCGに行く人は昔からいたのだが、その逆は殆どいないという認識だ。グローバルで見れば当然事例がちらほらあるわけだが、日本に限ると私が知る限り3名しかいない(しかもうち1名はコンサルティングスタッフではない)。
その理由はさておき、マッキンゼーとBCGの違いを書いていこうと思うが、以下の点には留意して頂きたい:
- あくまで、マネージャーレベルの視点で感じた事を書いている
- コンサルティングファームではテニュアによって全く視座が変わる
- 自分はマッキンゼーでEM(マネージャー)レベルまでしか経験してないので、あくまでその視点で感じた範囲の事を書いている(これがパートナーまで経験したという事になれば、内容は全く変わってくるのだと思う)
- 当然個人のバイアスがかかっている
- これまでのエントリーから何となく伝わっていると思うが、自分はマッキンゼーが大好きで、BCGはどちらかというとアンチである
- そのバイアスがかかってしまう事は避けようがないが、できるだけファクトベースを心掛けてはいる
- 守秘義務違反にならないよう、最大限配慮している
そもそも、このテーマをエントリーにするか、守秘義務もあるのでかなり迷った(というか守秘義務を守りつつうまく書くのが難しいのだが)のだが、しかし、どうしても書きたい、書かざるを得ないと思えるほどマッキンゼーとBCGというファームは違う。次回は、その違いの本質がどこから来るのか、まとめてみたい。