わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

新卒はとりあえず入社したらパートナー全員に挨拶に行くべし

コンサルティングファームに入社したら、パートナー全員に挨拶に行く、というのが
結構大切だと思うが、これを実践している新入社員は残念ながら非常に少ない

外資コンサルティングファームはどこもパートナーシップ制をとっている。つまり、パートナー達が共同で事業を運営しているわけである。これは会社名にも表れており、例えばMcKinsey & Companyは文字通り「James O. McKinseyとその仲間たち」という意味だろうし、Companyはパートナー達を指示している。

 

ここで考えるべきは、「パートナー以外の社員は何なのか?」という事である。前述の通り、あくまでもファームはその株式を保有しているパートナーたちのものであり、それ以外のノン・パートナーの社員(アナリストからプリンシプル)は「仲間ではない誰か」なのである。もっと冷めた捉え方をすれば、パートナー以外は会社にとっていなくなってもいい存在であり、もう少し分かりやすく書けば、「パートナーにおまんまを食わせてもらっている存在」なのである。

 

どこのファームでもこういった考え方・思想が根底にあるはずだが、これはコマーシャリズムが強いBCGのような会社で顕著に体感できる。いずれにしろ、繰り返すが、パートナー以外はパートナーに食わせてもらっている存在なのである。特に、そのピラミッドの最下層にいる新卒はその事を入社時から十分理解しておくべきである。スキルや人脈があるわけでもなく、入社段階では会社にとっては採用費だけがかかった負債のような存在が新卒であり、BCGに自分が入社した時に言われた「お前らは石ころだ。ここから3年かけてようやく人になれる」とは、要するに「お前らは食わせてもらっている存在だから文句を言わずに働け」という意味だと理解している。

 

さて、そのような思想に支配された環境に下っ端として(新卒として)入ったら何をすべきか。単純である。まずボス(=パートナー)に挨拶に行く、だ。この当たり前の事に気が付いている新卒は実に少なく、残念に思う。

 

パートナーやチームを実務的にリードするマネージャーレベルは、新入社員をチームに入れることを多かれ少なかれ心の中ではリスクだと感じている。(恐らくは)全く使えない人間が入ってくるわけであり、それがかなり難しいプロジェクトになればなおさらだ。一から手取り足取り教える工数のかかる新卒を入れるより、少しでも経験値のある人を入れたいと思うのが普通だし、またチーム内でのみ活動するならまだしも、クライアントの前に出すとなると、基本的なビジネスマナーができてるかとか、突発的な事象を引き起こさないか、ドキドキするものである。そういった中で、新卒をチームに入れなければならない場合、だれを選ぶだろうか?能力面では大差がないのであれば、一度でも話したことがある人を選ぶはずである。そういう意味でも、挨拶に行く行為は非常に大切である。できればパートナーだけでなく、社内で評判のいいマネージャークラスには必ずあっておくべきだ。

 

自分がBCGに入社した際は、3名の同期入社の新卒と話して、パートナーや社内有名人(=ハイパフォームしているコンサルや、たまにはバックオフィスの人)をランチに誘う、という活動をしていた。パートナーが激務であることを踏まえ、一人一人挨拶をするのは面倒だろうという事で、ランチという形式にしたのだが、これは結構意義があったと今でも思う。挨拶できるという事はもちろん、単純にやはりパートナーまで行く人の話は勉強になり面白いし、またその人の人となりもわかるので、一緒に仕事をしたいのはこの人かな、という事もだいたい当たりをつけられるからだ。

 

新卒(中途で入っても)は入ったらまず挨拶に行く。これファームの特性を考えれば当たり前の事なので、是非実践してほしい