わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

働き方改革

日経プラス10を見ていたら、働き方改革関連法が4月から中小企業にも適用されるという中で、スマートファクトリーが注目されているという特集が組まれていた。製造業における労働生産性を見ると、2000年には日本は世界で1位だったが、今では14位らしい。

 

働き方改革」というと、一般的には上記のスマートファクトリーやAIの導入といった、ツールの導入による人の労働の代替に注目されがちだが、本質的には働く人の「判断力(どこで、誰が判断するのか)」と「妥協力(どれくらいの質でよいとするのか)」の2点を変えていく事が重要だと思う。重要というより、むしろそちらの方がはるかにインパクトが大きいと、日々感じている。

 

例えば、あるコンサルティングプロジェクトで、現場で発生した問題に対し、「解決にはXXと〇〇の方法があると思うのですが、合理的に考えるとXXの方がいいので、XXにしましょう」と提案したところ、現場の人に「それで問題ないとは思うものの、念のため部長に確認しないと進められないです」と言われ、多忙な部長を捕まえて説明しOKをもらって進める、という事はよくある(というか、そんなことばかりである)。そこで(部長の忙しさによっては)半日~1日くらい平気でロスするのだが、そもそも現場が能動的に判断し、XXの方法でよいとその場で決められればこういった事はなくなるのである。

 

当然のことながら現場に判断の裁量を多く与えれば、ミスも増えるだろう。そこで、組織の「妥協力」が重要となる。「それをミスすると会社が傾く」という、本当に重要な判断というものは実は非常に少ないと思っている。日々現場で行う事は多少のミスがあっても何とかリカバリーできるものだし、そのミスの中から人が成長していくものだと思う。なので、何かいまいちな判断があっても、「まあいいか、今回はXXでいこう。次回からは〇〇の方がよいと思うけど、まあ仕方ないね」と言って、物事が進めばそれでよい。

 

このように、判断力と妥協力を変えていく事の方が、少なくともホワイトカラーにとってはAIの導入よりもはるかに生産性の向上に寄与すると思う。