わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

コンサルスキルを身につける:基本スキル1-メモの書き方(第2回): 定義と基本ルール

コンサル会社で「メモを書く」とは以下のように定義される: 

文章を、ブレットポイントを使って構造的に書くこと

ブレットポイントとは、「・」の事で、ブレットポイントを使って文章を書くとは、以下のように文章を書く事を指している:

XX(文章1)
・XX(文章2)
 ・XX(文章3)
 ・XX(文章4)
・XX(文章5)
XX(文章6)

だらだらとブレットを使わずに書いた文章は、厳密にはメモではない。ブレットを使って構造を明確化して初めてメモとなる。

日々メールを書く際など、何気なくブレットを使っておらられる方はいると思うが、コンサル会社では当然「何気なく」ブレットを使ってはいけない。明確なルールに従う必要がある。基本用語と合わせて、まずはごく基本的なルールを以下に書き出しておこう。

基本用語まとめ
メッセージ(又はトップメッセージ): 
ブレットポイントを付けていない、一番上段の文章。上記の例では文章1と文章6がメッセージ
サポート文:  
ブレットポイントを付けた文章。上記の例では文章2~5は全てサポート文
階層: 
文章構造の深さの事で、ブレットやインデント(字下げ)で表現される。上記の例では、文章2と文章5はブレットがついており、メッセージである文章1の一段下で「1階層目」、文章3と文章4はブレットに更にインデントがついて、文章2の一段下に紐づけられており、「2階層目(メッセージである文章1から見たら2段下)」である
基本ルール
a) 一つの文章は30文字以内が理想、長くても40文字以内にする
b) サポート文は多くても3つまで
c) 階層は最大でも2階層まで

少し解説を加えておく。
基本ルールの(a)は文章を短くすることで「シャープに書く」プレッシャーを書き手にかける意味合いもあるし、また同時にiphoneなどで読んだ時に1文が画面幅に収まるような長さにして読みやすくする、という読み手に配慮した工夫でもある。コンサルタントは移動中にiphoneでメールを確認する事も非常に多いので、そういった読み手に対する配慮も徹底するのがプロフェッショナリズムの一つと考えられている。

基本ルールの(b)は、コンサルが「3つまでが好き」という慣習的な意味合いもあるが、背景には脳科学的に人間が一度に認知できるのは5つまで。理想的には3つである」というファクトもある。こちらは研究論文で示されているので、3つまでとしよう。

基本ルールの(c)も(b)同様人間の認知を超えないようにする(複雑になりすぎないようにする)ためのルールだ。経験的にも3階層になってしまう場合、自分の構造化の仕方が間違っている事が多い。

新卒入社時点の私はこの基本ルールを守る事すらままならない状態で、以下のような構造のメモを平気で送ってしまっていた。

ダメなメモの例: 
XX(文章1)
・XX(文章2)
・XX(文章3)
・XX(文章4)
・XX(文章5)

どこかダメかすぐに分かりますよね?基本ルール(b)に違反している。文章2~5は全て文章1のサポート文という位置づけだが、それが4つあるという時点でもうダメなわけだ。BCGの新卒時代は、こういったルール違反をするたびに夜中でも呼び出されて、「なぜ4つで、3つにはする事はできないのか、理由を言ってくれ」と詰められました(笑)。今思うと夜中まで付き合ってくれた先輩に感謝というか、頭が上がりません。。。

さて、ここまでが基本ルールだが、これらだけなら守れる気がしますよね。ただルールはこれだけではありません。より重要なのは、メッセージ(文章1)とサポート文(文章2など)の関係性です。

次回はその文章の関係性のルールを説明します

第3回に続く