わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

コンサルスキルを身につける:基本スキル1-メモの書き方(第1回): 全てはメモから始まる

「物事は構造化して伝えると分かりやすい」という思想のもと、コンサル会社に入社した若手コンサルは構造化の仕方を叩きこまれていく。多くの場合、はじめはメモ(社内又はクライアントとの会議の議事録や、社内に情報共有する際に書かれる文章など)の作成を通じてその概念を学んでいく。

私は米国で生物学のPh.Dを取得した後、新卒として入社した会社はボストンコンサルティンググループ(BCG)だった。入社して初日に、「お前らは石ころみたいなもので、3年くらい経ってようやくヒト(=ある程度仕事のできるコンサルタント)になる」と言われ、そこからひたすら修行の日々が始まったのだが、最初に与えられた仕事の一つは「メモ書き」だった。クライアントと会議をするたびに(どんなに小さな会議でも)議事録を作成しメンバーに共有する。また、毎日「自分の今日の学び」を書いて当時のメンターに送付するという(クライアントワークとは別の)タスクもあった。もちろん議事録や学びは単に書けばいいというものではなく、「構造化して」書く事が条件だ。構造化するのは実は時間がかかる。目安は「1 : 1」、つまり1時間の会議の議事録であれば書くのにも1時間かかる、というものだ。しかも1 : 1というのは相当構造化に習熟したコンサルタントの場合で、当時の私は1 : 2~3(1本の議事録に2~3時間かかる)が当たり前だった。クライアント会議が2回、3回とあった時は深夜までメモばかり書いていた記憶があり、最初の1年で恐らく600本近いメモを書いた(そして先輩に添削された)のではないかと思うが、ただそれがコンサルスキルのすべてのベースだったと断言できる。

次回から、まず「メモの定義」と「基本ルール」を説明していきたい。

第2回に続く