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人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

コンサルスキルを身につける:基本スキル2-パワポの書き方(第2回): 縦軸と横軸を考える

前回、「スライドのベースは構造化であり、それはメモと同じ」という事をお伝えした。コンサル会社ではよく「メモでスライドを書く」という事が実際に行われており、上司がメールで送ってきたメモをベースにスライドをおこすという作業はよく発生する。メモの構造がスライドにも繋がっている、という事をコンサルタント全員が理解しているが故にできる事だ。自分でパワポ資料を作る際も、いきなりパワポに向かうのではなく、「まずメモに落してみる」という事をよく行う。

ただ、実際にスライドを書き始める際、スライド上でもう一度構造を考え直すという事はよくあり、まずは手書きで紙に書きながらスライドの構成を考える。そのときに意識する事は以下だ。

1. メッセージは?:
そもそもこのスライドで何を伝えたいのか
2. サポートは?
メッセージを言うためにはどのような事を示さなければならないか
3. サポートの構造は?
サポートを分かりやすく示すには、縦・横軸をどのような構造にすべきか

上記の1と2は決まっていないと当然スライドは書けないのだが、実際にスライドに落とす際重要なのが3だ。特に「縦軸、横軸」をどうするか、これが常に問題となる(下図)

上図のように、チャート全体の縦軸と横軸を考える場合もあれば、「サポートが2つという事は決まっていて、その中の構造を考える」という場合もある(下図)

逆に言えば、縦軸と横軸がないスライドは(少なくともコンサルが作る資料の中には)あってはいけない、という事になる。

コンサルタントとして仕事をする中で、色々な会社の社内資料を拝見してきたが、よく見かけるのは縦軸・横軸関係なく、情報がスライド上に縦横無尽に散らかったように見えるものだ。たとえば下のような。
(ソース:  SlideShareで公開されていた、「ドコモオープンイノベーションの取り組みと提供APIのIoT展開について」)

これを実例に、「縦軸と横軸を考える」事でコンサル的に書き直してみよう。まずこのスライドで伝えている情報を、私は以下のような思考をたどって整理してみた。

1. まずはスライドの中身を咀嚼してみると、、、
「しゃべってコンシェル」というサービスの内容を説明しているらしい

そのサービス内容は、
・「したいこと、知りたい事を話しかければスマホがこたえてくれる」
・173種類のキャラクターが「サービスの起点」
という事のようだ

実際に連携できるサービスの数は、
・3タイプ: ドコモ提供アプリ、標準アプリ、サードパーティー製アプリ
・合計で79種類
あるらしい

これまでの実績
・累計インストール数: 2000万以上
・累計利用回数: 7億回以上

2. 理解できたことからスライドの縦軸・横軸を考えてみると、、、
どのようなサービスかを伝えたいのだから、
・左側: サービス内容・実績
・右側: 連携しているアプリ一覧(サービス詳細)
よいのではないか。

メッセージも考えて、メモ形式で書くと、以下のような感じ
具体的サービス紹介: 「しゃべってコンシェル」は約80種類のアプリとユーザーを繋ぐ、「起点」を提供
・サービス概要:
 
内容: したいこと、知りたいことを話しかけるとキャラクターが答えて、適切なアプリに繋いでくれる
 ・実績: インストール数2000万以上、利用回数7億回以上
連携アプリ一覧(ご参考)

実際にスライドの形式の落すと以下のような構造になりそうだ。

いかがだろか。縦軸と横軸が決まって、少し分かりやすく、見やすくなっていると感じないだろうか。あとはビジュアルで女性の写真やアプリのイメージ画像を入れて、もう少し華やかにできるといいかもしれない。

繰り返しになるが、
・スライドはメモと同じ、構造化がベース
・縦軸と横軸を整理する、ここが頭の使いどころ

の2点が肝だ。
これを踏まえてスライドをどんどん作成し、スキルを磨いていこう。