わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

英語のおすすめ勉強法

英語を本気で身につけたいと思っている方に、個人的におすすめしたいのは、「スピーチ完コピ」と「英英辞典の活用」である

 

子供のころに父親の仕事の関係でカリフォルニアに行き、そこで初めて英語に触れて以来、英語にはかなり興味がある。単純に英語を身につけたい、という事ではなく、言語として興味があるという事だ。

 

帰国子女の方ならばわかると思うが、自分は英語と日本語を扱っている時で脳のスイッチが切り替わる。感情の持ち方も考え方も、英語を用いている時と日本語を用いている時で変わるのである。つまり、思考は言語にある程度支配されている(面白いのは、例えば数字を扱う時。この場合、かなり高い確率で母国語になる。英語がある程度話せる人でも、数字を扱うときは日本語で数えないとわからない、といった事が起こる、という事だ)。この事に気が付いてから、かなり言語というものに興味を持つようになり、そして自分がふれていたのが英語だったので、英語に興味を持つようになった。

 

その自分が、英語を少しでも深く理解したいと思いよくやっているのが、

  1. スピーチの完コピ
  2. 英単語は英英辞典で調べる

という二つである。

 

まずスピーチの完コピ。これは子供のころからよくやっているし、なんなら今でもたまにやっている。スピーチの完コピとは、自分が好きな人のスピーチ(スピーチでなくても、なんらかの発言であればなんでもよい)を、完全にその人になり切って自分ができるようにするというものだ。子供のころは Martin Luther King Jr. の有名な I have a dream や、John F. Kennedy のスピーチなどを丸々覚えていた。オバマ大統領が初めて大統領に当選した際にシカゴで行った勝利宣言も、いい文章だなーと思って、覚えて、何度ぶつぶつ自分で繰り返したかわからない。最近では Jordan Peterson の発言を覚えたりしている。

 

これには2つの効果がある、と考えている。

一つは、文字と発音をきちんと頭の中で繋げた上で、自分がそれらの各種表現や単語を使う疑似体験ができる事。有名なスピーチの場合、誰かが書き起こしをしていることが多いので、完コピする過程で、スピーチ原稿を目で見ながらそのスピーチを聞いて、全ての単語と音を対応させることができる。英語の場合、この作業が極めて大事となる。なぜなら、(日本語とは異なり)英語は「発せられた音が全て」な言語であり、知らない単語の音だけを聞いてその単語の意味を推測する事が不可能だからだ。英語の場合、聞き取れなかったらそこで終了で、相手の言っていることを理解できなくなる。日本語は極めてコンテキストが重要な言語なので、実は相手の言っている単語が1つ2つ聞き取れなかったとしても、想像で補う事が容易であるが、英語はそうではなく、相手の発した単語の音だけから、意味を理解できなければいけないのである。完コピの過程で、各種表現や単語の文字列と音を頭の中で対応させたうえで、自分でそのスピーチを行ってみる事で、それらの表現や単語を自分のものとして用いる事ができるようになる。(余談だが、昔自分が高校生くらいの時に、「浴びるように英語を聞く」といったトレーニングプログラムがあり、ひたすら(スクリプト無しで)英語を聞きまくればできるようになると謳っていたが、あれは完全に詐欺。先に書いたよいうに、単語と紐づけて音を聞かないと到底英語は身につかないのである)

 

もう一つの効果は、息継ぎの仕方を覚えられる事である。あくまで「完コピ」なので、抑揚のつけ方やトーンなどもその人をマネするわけだが、それを行っていると、息継ぎが日本人の自分とは異なる事に気が付く。ああ、なるほど、ここで息を継ぐのか、という発見があり、という事はこの単語はこれくらいの吐く息で発音できているという事なのか、と、日本人英語を話す自分には足りていない部分に色々と気が付く事ができるのである。

 

次に英単語は英英辞典で調べる、という事。これは日本語で英単語の意味を覚えていた場合には到底気が付く事が出来ない、各単語の持っているニュアンスを理解することに役立つ。(日本語を使っている自身を想像すれば容易にわかる事だが)ネイティブは同じ表現でも微妙なニュアンスの違いを意識的・無意識的に理解している。その違いをノンネイティブが理解することは極めて難しいが、少しでも理解したいならば英英辞典を使う事をお勧めする。似たような表現でも、微妙に違いが意味の説明に表れているはずだ。

 

上記2点、よっぽど英語そのものに興味がないと単純に苦痛なのでやらないと思うのだが、もし興味があれば是非。