わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

アパレル業界の慣習

アパレル業界の慣習には驚かされるものが多い。なぜ外気温が35度の今、ユニクロは「秋物新作の薄手のセーター」を販売しているのか、一般消費者には理解できない
 
ユニクロと言えば、ちょうど昨日の日曜日、ポロシャツを購入しに立ち寄った。昨日のエントリーで書いたように、もう洋服はユニクロで買う、と決めてしまっているので、ユニクロがなくなると私は途方に暮れてしまうのだが、そんなユニクロの商品を見ている中で、全く理解できない事がある。
 
なぜ、今、ちょうど外気温が35度で、みんな汗をたらたらかきながら歩いている中で、「秋物新作」というポップと共に、薄手のセーターを販売しているのだろうか?しかも、一番目立つ、本来集客のフックとなるべき、入り口近くの一番いい棚を使って、である。マネキンがめっちゃ暑そうなのが滑稽だ。
 
アパレル業界の知見はほぼない。いや、正確には少しある。BCGに新卒入社した直後に参画したのは、アパレル業界のとある会社のプロジェクトだった。なので、アパレル業界全体として季節の先取をするものであり、それが世界的にも定着している事は知っている。しかし、それは本当に消費者のためなのだろうか。
 
ユニクロのような、合理的なイメージがある会社がそんなことをやっているのは、何か理由があるのではないかと思い、とりあえず暇だったので、その棚の近くで、「誰か手に取るのか」を観察していたのだが、日曜日の午後のかなり混んでいる時間、レジには20分くらいは待たされるであろう列が伸びているさなか、30分立っても誰一人として商品を手に取る事はなかった。それどころか、誰一人としてその棚の前で立ち止まる事すらしていない。
 
こういった店舗内のユーザーの行動、あるいは、行動ではなくても秋物商品の売れ行き具合のデータはユニクロはとっているはずではないのか。だとすれば、売れないと分かっている商品を店舗に置いておく価値とはなんなのだろうか。夏物がそろそろ終わると思わせて、在庫を一掃するのにでも役立っているのだろうか。
 
ひと昔前まで(つまり夏の気温が高くても30度くらいで、残暑もそれほど厳しくなかった時代)は、そろそろ秋の空気が漂っていたのかもしれないが、温暖化が進んで夏の感覚も変わってきている昨今、この季節の先取りは、ユーザー視点では単純にむかつくレベルだと思う。
 
ユニクロのような企業が率先して季節の先取りをやめ、「Just on time」的な販売を実践してほしいな。