わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

結局WeWorkの適正価格っていくらなのか

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の第2四半期決算は7000億円の赤字だった。その主因となったWeWorkだが、結局この会社の適正価格はいくらなのだろうか。ソフトバンクGの決算書によると、現在の公正価値は78億米ドルとされてる。

 

恥ずかしながら会社の価値算定については教科書レベルの知識しか持ち合わせていないのだが、細かい手法はさておき、簡単に考えれば「類似の企業の価格と比較する」のが最も分かりやすい。何を「類似」とするか、は深遠なテーマなのかもしれないが、BloombergIWG(International Workplace Group)という会社を比較対象として挙げている。ビジネスモデルが全く一緒で、グローバル展開もしており、比較対象としてぴったりのようだ。その比較結果が下図:

 

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グローバルの拠点数、会員数、売上高など、どの軸で切ってもIWGはWeWorkと同等、またははるかに上回っているにも関わらず、時価総額はWeWorkが470億米ドル(ピーク時)で、IWGは37億米ドルだという。

 

すなわち、WeWorkの評価額は近い将来的に37億米ドル程度になるのではないか。だとすると、現在の評価額との差分、41億米ドル(78-37億米ドル)はまたソフトバンクGに特損として降ってくるのかもしれない。

 

このWeWork問題、経営者に色々欠落があったようではあるが、一方で彼が語った「働き方を変える」というビジョンやデザイン性(オフィスの物理的デザイン性含め)は素晴らしかったのではないか。多くの人間が今の働き方に疑問を持っていたから、そこに夢を感じバブルが起こったのだと思う。丸の内のWeWorkに行っても利用しているのはスタートアップではなく「クリエイティブになりたい大企業」ばかり。その空間にいるだけでクリエイティブになったかのような気分になれるところに夢(幻想)がある。