わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

「地頭」の良さ

「地頭がよい」とはいいかえれば「想像力がある」という事らしい。地頭の良さはだいたい大学入学前くらいまでに決まっており、入社後にどうにかなるものではない。

 

コンサルティングファームの面接では、よく「地頭の良さ」を見ている、と言われる。この「地頭がいい」とは何なのか、機会あるごとに色々なコンサルティングファームのパートナーに尋ねた経験があるのだが、答えは驚くほど一致していた。それは、「想像力がある」、というもの。つまり「地頭がいい=想像力がある」という事らしい。

 

想像力とは何か、一段かみ砕いて言うと、「1つの状況に直面した時に、例えば10個くらい色々なケースを想定できる力」と言えるかもしれない。もっとシンプルに言えば、「いろいろな事に気が付く力」となるだろうか。

 

例えば、自分が新卒入社のコンサルで、あるプロジェクトにアサインされていたとする。一緒に働いているマネージャーの時間をどこかで30分、アウトプット議論のために抑えられないかと考え、カレンダーを確認したところ、同日の15時~15時半か、18時~18時半であいているようだ。15時の直前には別のプロジェクトのチームmtgが入っており、18時半の前はその別チームでクライアントとのSC(ステコミ)が入っているようだ。さて、どちらに自分との議論の時間を入れるべきか?この問いは立派なビジネス判断であり、正解はないかもしれないが、最適解はあるはずなので、ここで自分のセンスが問われるし、ここで「地頭の良さ」が問われるわけである。想像力がゼロの人間は、とりあえず何も考えず早く抑えられる15時~15時半のスロットに飛び込むかもしれないが、想像力がある人間は少なくとも以下のような要素を検討するはずだ:

  • 自分の都合:そもそも自分が空いているか、アウトプットの準備にかかる時間はあとどれくらいか、など
  • PJの都合:最終的なアウトプットをいつまでに出さなければいけないか、他の作業に必要な時間は確保できるか など
  • そのスロットを抑える事ができる確度:15時はSC直前のチームmtgで延長する可能性がありそう、18時はSCがそもそも伸びる可能性はどうか、など
  • マネージャーのその時の気分:15時はSC前でカリカリしているかも、18時はSC直後でうまくいっていれば気分がいいかも、など

 

この判断一つとっても、色々考えるべき要素があって、その要素を瞬時にどれくらい思いつくことができるのか、それらを組合わせてシナリオを作って検討し、最適解を導き出せるか、が「想像力」という事なのだろう。確かにコンサルティングファームでは、こういった想像力のある人の方が早く成長する印象が強いし、逆に想像力のない人は本当に何をやってもだめで、本人にとっても仕事が苦痛になり辞めていってしまうように思う。

 

またもう一つ自分の中で確かな事は、この想像力は、少なくとも社会人になる年齢の時には固まっており、容易には身につける事が出来ない、ということ。絶対に身につける事ができない、とは当然言えないが、容易ではない(=かなり困難である)と考えている。想像力がない、と思われる人が、いつまでも苦労し、(作業量という点では)頑張っていはいるがアウトプットは全く評価されず(実際に客観的に見てもいいアウトプットを作る事ができず)、やめていく姿を何度も見てきた。社会人になってからでは容易に身につけることができない、事が分かっているからこそ、ファームも面談でそれを見抜こうとしているのだと思う。