わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

日本語で学べることの幸せ

学問を母国語で学べるという事はとても幸せだと思う。日本では多くの学問を日本語で学ぶことができるが、これはひとえに先人たちの努力の賜物だと思う。

 

多くの学生は当たり前に感じてしまっているかもしれないが、色々な学問を母国語で学べるという事は非常に幸せな事だと思う。人口が少ない小国では、たいていの場合、学問を学ぼうと思うと、外国の英語の教書などを使う事になると思う。日本人が色々な学問を当たり前のように日本語で学べるのは、先人たちが海外の文献を読み漁り、概念を理解し、咀嚼し、それぞれの専門用語に対応する日本語を作った、その努力の賜物だろう。

 

とはいえ、昨日書いたように、学問も「本場で学ぶ」という事が非常に大切だと思う。例えば自分が学生時代に学んでいた分子生物学や発生遺伝学は、完全に欧米の学問であり、欧米で学ぶべきものだと感じる。そもそも「分子生物学」という言葉は、確かロックフェラー大学にいたWarren Weaverが作り出した言葉だし、遺伝学の礎を築いたメンデルはオーストリアの人物だ。英語で学ぶと、日本語の当て字とは異なり、各専門用語に込められた概念をくみ取る事ができるし、翻訳のフィルタがない分クリアに理解できることが多い。学士時代、Molecular Cell Biologyをわざわざ英語で読んだのは自分の基礎として非常に役立ったし、その後ロックフェラー大学にいって、Molecular Cell Biologyの著者の一人であるJames Darnell教授と同じフロアにある研究室で研究できたことは、灌漑深いものがあった。ちなみに彼に出会ったとき、彼は既に70を超えていたと思うが、精力的に研究を続けていた姿が印象的だった。

 

あれ、日本語で学べることの幸せを書こうとして、いつの間にか本場に行けという話になっている。。。まあ日本語で学べることの幸せをかみしめつつ、多くの学生に本場に学びにいく挑戦をしてもらって、自分の思想を深めていってもらいたい。