わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

暗記の重要性が増している

物事を暗記しているというのは、それに対するその人の興味・関心を表しており、また知性を表現する上でもとても大切なことだと感じる

 

ウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)は世界最古の議会の一つであるイギリス議会が、議事堂として使用している建物だ。この建物で初めて講演を許されたアメリカ大統領はオバマ大統領で、オバマ信奉者である自分は当然その動画も何回もみている。

 

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こういった欧米人の講演の動画を見ていると、気が付く事が一つある。オバマ大統領も、そしてオバマ大統領を紹介した英国議会の議長であるJohn Bercow氏も、原稿を一切見ていないのである。日本人が、例えば安倍首相が、こういった場で講演をする際は、たいてい原稿をみていないだろうか。この30分以上にわたる長い文章を、多忙を極めるアメリカ大統領が全て覚えたのだろうか?そのこと自体が、この動画を見るといつも凄いなと思う。

 

Googleが登場して久しい。そして会議の場でPCを開けてメモを取る事や、会議中にサクッと検索してファクトを探す行為もごく当たり前になってきている。Googleはまさに自分の脳の外付けハードディスクのような感覚で、あまり自分の脳みそで記憶をする、という事がなくなってきているようにも思う。世の中的にも記憶をする、とか暗記をするというと受験勉強と紐づけたりしてネガティブな印象を持っている人が多いだろう。

 

しかし、「知性」を感じる話をする人は必ず膨大なファクトが頭の中に入っているように思う。それを巧みに話しに織り交ぜ、人を引き付けるのである。それは努力を伴って暗記した、というよりはその事自体に強い興味・関心があるから自然に頭に入ったのかもしれないが、いずれにしてもものすごい量のファクトを頭の中に収めている。

 

いい、つまり人を魅了するような話をするためには、言葉でしゃべっている事の10倍は知識がないとできないのだ、とある学者は言っている。その通りなのだと思う。外付けハードディスクがGoogleによって提供されようが、結局は人が人を動かすのであって、そういった話し方ができるようになるには暗記(記憶する)が大切であり、このIT全盛の時代の中で、その重要性はより増しているように思う。凡人はどんどんファクトを脳内から消してGoogleに移す中で、世の中のリーダーになる人間はせっせとファクトを脳内に蓄積しているのである。