わかるブログ

人生の後半に向かっていくにあたり、自分の引き出しの中身を色々書いて一旦空にし、新たに学びを深めていかざるを得ない環境を作ろうと思って始めたブログ

スタートアップは大企業よりも人材が育つ、という誤解

スタートアップは大企業よりも人材が育つ、というのは誤解だと思う。「ベンチャーは自分たちが実現したい世界に向かってモチベーション高くやっている」=「大企業よりいい」という漠然としたイメージから、人材も放っておいても育つと思っている人が世の中意外に多いが、グローバルで成長している大企業の方が人材マネージメントはだいぶましだと感じる。

 

スタートアップを取り巻く環境はここ10年で本当に激変した。自分がBCGに入社する前は、退職する人の大部分が別の大企業に転職していたそうだが、自分の代くらいから大半がスタートアップに行くようになった。McKinseyにいたころも退職する人の下手すると8割以上はスタートアップに行っていたように思うし、少なくとも自分が直接知っている人はほぼ全員スタートアップに行ったのではないだろうか。そういった事象からも、「スタートアップの方が成長できる」という印象がある。確かに、まかせてもらえる仕事範囲は広いし、弱小企業なので大企業ではやらなくていいような色々な雑務(契約書を書いたり、請求書を発行したり)もやる必要があり、成長の機会は大企業よりは格段に多いと思う。しかし、そこで成長できるかどうかは結局その人次第である。「できるやつは自力で伸びる。できるやつは教えても無駄」というやつだ。

 

ex戦コンがよくスタートアップに行くのは、そういった場所で成長できる素地をもった人たちだからであり、そういった環境の方に魅力を感じるからだろう。逆に、スタートアップの環境で彼らのような優秀な人材が育つかというと、そうとは限らない。

 

結局、スタートアップでも経営を担えるような人材は「狙って」戦略的に育てないといけないし、それを実践していこうとすると、大企業で行っているような人材マネジメントのスモール版に行きつくことになるのではないか。